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2025年11月18日

副業・兼業の労働時間通算による「割増賃金規定」、維持と撤廃で労使平行線 労政審労働条件分科会

n251118.jpg 労働政策審議会の労働条件分科会(山川隆一分科会長)が18日開かれ、「多様な働き方に対応した労働基準法の見直し議論」を続行。労基法における労働時間法制の具体的課題として、テレワークなどの柔軟な働き方や副業・兼業、管理監督者、労働時間の情報開示について議論した=写真。このうち、副業・兼業の労働時間通算による「割増賃金規定」では、使用者側が「業務命令で発生するのが割増賃金であり、副業・兼業は労働者の自発的な選択と判断。本来の割増賃金の趣旨と前提が異なる」と撤廃を主張。一方、労働者側は「更なる長時間労働を誘発することになりかねない」として現行規定の維持を訴えた。このテーマを巡っては、これまでの議論でも見解が対立しており、見直し議論が終盤を迎えている状況にあっても労使見解は平行線のままだ。

 同分科会は今年1月から(1)労働基準関係法制に共通する総論的課題として労基法における「労働者」「事業」「労使コミュニケーションのあり方」(2)労働時間法制の具体的課題(各労働時間制度)――を軸に議論を進めている。

 事務局の厚労省はこの日、「副業・兼業」について「労働者の割増賃金の支払いに係る労働時間の通算のあり方」と「労働者の健康確保」の観点から議論を求めた。前半は使用者側が積極的に意見を述べる展開となり、健康管理に必要な視点を挙げたうえで「現状では副業する人を受け入れたい企業も二の足を踏み、結果的に労働者の雇用機会を奪っている」などと指摘。これらの意見に対抗する形で労働者側は「割増賃金の通算を撤廃した場合、長時間労働が誘発される懸念が増す。割増賃金が残業抑制の役割を果たしている面もある」などと主張した。

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