ストーリーで理解するハラスメント問題
著者・村井 真子
アルク、定価1980円 (税込)
労使双方から相談を持ちかけられる著者が、ハラスメント問題の要点と回避策のヒントを詳述する。
基礎編の解説では、白黒の明らかなケースは少ない事情、また、被害者が状況の改善よりも加害者の処分を優先して望むといった人間関係の複雑性を指摘する。続く実践編では、架空と断ったうえで、「加害をしやすい人」につき7類型・22のリアルなストーリーを紹介していく。懲戒処分までには至らず加害者の反省と相談者の納得のうえに解決した例のほか、処分を受けた側が退職、あるいは相談した側が転職準備を決意するといった収束もある。同様に「加害にあいやすい人」についても5類型・10のストーリーを紹介し、コミュニケーションが苦手、職場においてマイノリティ、真面目で責任感が強く自分を責めやすい、といった特徴を挙げている。最終章の「付録」では20項目から構成される「加害リスクチェックリスト」を掲載し、診断と各項目の注意点を整理。
従業員の皆さんの他、人事部などハラスメント相談を受ける立場の方にも一読をおすすめしたい。
(久島豊樹/HRM Magazine より)






















