人間関係を良好に保つ心理学の知識
著者・舟木 彩乃
集英社インターナショナル、定価968円(税込)
カウンセラー・メンタルヘルスの専門家として約1万人の相談に対応してきたという著者が、職場で生じる人間関係のモヤモヤを心理学の知見で解きほぐしていく。
「部下を憂鬱にする上司」「あなたを憂鬱にする同僚」「上司を憂鬱にする部下」という3グループに分け、計15のストーリーを紹介。一般企業で身近に起こりそうな例のほか、著者の研究対象であった議員秘書の内幕や、人事コンサルティングの職種(優秀すぎる部下を持った上司の葛藤)など特殊な職場の話も盛り込まれていて興味深い。各場面で起きている現象を心理学のアプローチで観察し、嫉妬、不安、劣等感、怒りの感情のほか、アルコール依存症、摂食障害、ADHD、境界性パーソナリティ障害など病的な症状の影響も含めて考察する。
様々な局面で生じる心理作用を知っていれば、状況を客観視でき、必要以上に悲観したり、モヤモヤを増幅させたりしなくて済むと著者は語り、その狙いから、最終章では5つの「役立つ知識」を整理し、身に付けるべきスキルをガイドしてくれている。
(久島豊樹/HRM Magazine より)






















