Q 4月1日から、社会保険の被扶養者の認定基準が変わると聞きましたが、具体的にはどうなりますか。
A 短時間労働者が社会保険に加入するためには、4つの要件を満たす必要があります。
②週の所定労働時間が20時間以上であること
③勤め先が従業員数51人以上の企業であること(企業規模要件)
④学生ではないこと

このうち、①収入要件については、年間収入130万円未満(60歳以上または障害者は180万円未満)であり、(1)被保険者と同一世帯に属している場合には、被保険者の年間収入の2分の1未満であると認められる場合、(2)認定対象者が被保険者と同一世帯に属していない場合には、被保険者からの援助に依る収入額より少ない場合において、被扶養者に該当する時点および認定された日以降の年間の見込み収入によって判断されています。
令和8年4月1日以降は、この点についての見直しが行われ、「労働条件通知書」などの労働契約の内容が分かる書類に記載のある賃金から見込まれる年間収入が130万円未満(60歳以上または障害者は180万円未満)であり、かつ、他の収入が見込まれないなどの要件を満たした場合には、原則として被扶養者に該当するものとして取り扱われることになります。
今回の見直しは、従来の所定外賃金の見込みを含めた今後1年間の収入見込みによる判定が、被扶養者認定の予見可能性が低い結果として、就業調整に結びついてしまう面がある点に鑑み、労働契約段階で見込まれる収入による認定に変更されたものです。要件が変更されたことにより、扶養認定の予測が容易になることで、いわゆる「働き控え」が減少する効果が期待できます。
労働契約の内容の確認については、「労働条件通知書」などの書類の添付、もしくは認定対象者から「給与収入のみである」との申し立てを提出を求めることにより行い、労働契約の更新や労働条件の変更があった場合には、その都度、被扶養者に対して実態の確認を実施し、その内容が分かる書面などの提出を求めることになります。
なお、当初は想定されなかった臨時収入によって、結果的に年間収入が130万円以上となった場合であっても、労働契約に明確な規定がなく労働契約段階では見込み難い時間外労働などに対する賃金は、被扶養者の認定における年間収入には含まれないため、その収入が社会通念上妥当である範囲に留まる場合には、被扶養者としての取り扱いを変更する必要はないとされています。
認定の翌年度以降は、少なくとも年1回は事業主が被扶養者の認定の適否に係る確認を行い、被扶養者の要件を引き続き満たしていることを確認する必要があるとされるため、4月1日以降の認定については、労働条件通知書や収入証明書、課税(非課税)証明書などによって、適切な時期に円滑な確認が実施できるよう、十分な周知と情報共有をはかっていくことが大切でしょう。
労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定における年間収入の取扱いについて(令和7年10月1日)
(小岩 広宣/社会保険労務士法人ナデック 代表社員)






















