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2026年4月 2日

小岩広宣社労士の「人材サービスと労務の視点」321・マイナ保険証の円滑な利用に向けた対応について

Q 最近、マイナ保険証の円滑な利用に向けた対応についての通知が出たと聞きましたが、具体的にはどのような内容ですか。

koiwa24.png 厚生労働省から、3月25日に日本医師会などの団体に向けて「マイナ保険証の円滑な利用に向けた対応について」(保険局医療介護連携政策課、事務連絡)の通知が発出され、26日には都道府県や健保組合などに向けて同内容の周知が行われています(「マイナ保険証の円滑な利用に向けた医療機関・薬局における対応について」保険局保険課など、事務連絡)。

 従来の健康保険証からマイナ保険証(健康保険証の利用登録がなされたマイナンバーカード)への切り替えについては、昨年12月2日からすべての保険者において発行済みの健康保険証の有効期限が到来し、医療機関・薬局の窓口では、マイナ保険証による資格確認を基本とした運用が行われています。同月時点におけるマイナ保険証の利用率は6割を超える状況となっており、確実な切り替えが進捗しているところですが、さまざまな事情によって期限切れの健康保険証を窓口等に持参してしまったときの対応としては、3月末までは事実上の猶予措置が取られていました。

(参考)「マイナ保険証を基本とする仕組みへの移行について」(令和7年11月12日、保険局医療介護連携政策課、事務連絡)
 12月2日以降、期限切れに気がつかずに健康保険証を引き続き持参してしまった患者や、保険者から通知された「資格情報のお知らせ」のみを持参する患者については、保険証等単体で有効なものとして取り扱うものではありませんが、加入している保険者によらず、保険給付を受ける資格を確認した上で適切に受診が行われるよう、被保険者番号等によりオンライン資格確認等システムに照会するなどした上で、3割等の一定の負担割合を求めてレセプト請求を行うこととする運用は、暫定的な対応として差し支えないと考えます。こうした対応は令和8年3月末までの暫定的な対応であり、次回以降の受診時にはマイナ保険証か資格確認書を必ず持参いただくよう呼びかけて下さい。


 昨年の夏から秋にかけて、マイナ保険証を持たない人に対しては各保険者から資格確認書が職権で交付されており、すべての国民がマイナ保険証か資格確認書のいずれかを医療機関の窓口等に持参して資格確認を行うことができていますが、それでも何らかの事情によってやむなく旧健康保険証を持参した場合の対応について、3月25日の通知では、「本年7月末までの間は、これまでの暫定的な対応を継続する」とされました。

 その事情としては、「マイナ保険証や資格確認書への切り替えに当たり、受診等の頻度が少ない方をはじめ、期限切れの健康保険証を持参される方も一部では見られるところであり、まだ受診時等に提示する書類の準備が整っていないおそれ等もある」という点が挙げられていますが、あわせて「次回以降の受診時等にはマイナ保険証か資格確認書を必ず持参いただくよう、引き続き医療機関・薬局の窓口での呼びかけをお願いいたします」とされている点にも十分に留意したいものです。

 7月末までの対応はあくまでやむを得ない事情による場合の暫定的な措置と理解する必要がありますが、家族や従業員など身近な人の中にも該当する例がある可能性もありますので、いま一度必要に応じて周知などを行う機会にしたいものです。

「マイナ保険証の円滑な利用に向けた対応について」(令和8年3月25日、厚生労働省保険局医療介護連携政策課、事務連絡)


(小岩 広宣/社会保険労務士法人ナデック 代表社員)

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