大手人材ビジネス企業の2026年3月期決算が出そろった。慢性的な人手不足を背景にした大幅賃上げやAI活用で業績を伸ばす大手に対して、人材不足で売り上げを伸ばせない中堅との格差が広がる傾向が際立った。今後は、「人材の高度化」が業績をさらに分けることになりそうだ。(報道局)
業界トップのリクルートは、国内外とも堅調な需要に対応し、「インディード」のAI活用による機能向上が本格化したことなどから、2年連続の大幅増益に。主要経営指標の調整後EBITDA(営業利益+減価償却費)は前期比17.0%増の7943億円の最高となったが、来年3月期も9490億円(同19.5%増)の高成長を見込んでいる。
パーソルも国内の人材派遣、人材紹介とも堅調が続き、営業利益などの利益は過去最高。調整後EBITDAは881億円(同12.5%増)に伸びた。来年3月期も970億円(同10.0%増)の二ケタ増を見込んでいる。業界はリクルートとパーソルの"2強"による寡占化が進んでいる。
パソナは大阪・関西万博の出展関連費用がかさみ、最終損益は18億円の赤字を見込んでおり、負の遺産が尾を引いている。ヒューマンは派遣単価の上昇などで人材関連の売上高が606億円(同1.9%増)、教育関連も263億円(同0.3%増)の増収を維持したが、全日制教育事業の減収によって利益は3割減。来年の売上高は1060億円(同3.4%増)を見込んでいるが、教育事業のコスト増などで減益を予想している。
一方、技術系の製造派遣・請負は「トランプ関税」による生産減やAI活用の可否などで業績の明暗が分かれた。今後は中東情勢の不透明化といった地政学リスクの増大が考えられるが、多くの企業は業績への影響は読み切れていない。
正社員技術者派遣のメイテックは、自動車メーカーを中心にした次世代技術開発投資が活発で、5年連続の増収増益で過去最高を更新した。ただ、エンジニア不足による人材の争奪戦はさらに激しくなっており、期末の技術者の在籍者数もメイテックは昨年を下回った。今年も人材確保が最大の課題になる。
NISSOはM&A効果で増収となったが、自動車部門の在籍者数の減少や半導体部門の技術者育成が間に合わず、営業利益は1割減に。来年は半導体の活況に伴う人材ニーズの高まりを予想して、増収増益を見込む。UTはベトナム事業の売却で減収となったが、単価増などで増益。nmsは主力のEMS事業が国内外の顧客企業の販売不振などで減収減益になった。
一方、決算期の異なるワールドインテックを擁するワールドHD(25年12月期)は「複数事業によるポートフォリオ」政策が好調で、売上高2843億円(同17.4%増)、営業利益108億円(同25.9%増)の二ケタ増収増益だった。テクノプロは昨年12月に上場廃止した。
近年、派遣労働者の数は増えているものの、...
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