多様性を"活かす"ための打ち手とは?
著者・加藤 守和/吉田 亜希子
日本能率協会マネジメントセンター、定価2640円(税込)
経営人事の課題で「多様性」を扱うとき、女性・高齢者・障がい者といった属性の底上げが検討されがちだが、本書は一歩進めて「個別多様性」の実現を模索する。いわゆるDEIの概念にB(Belonging:所属感)を加えて「DEIB」と総称し、一人ひとりが承認欲求・自己肯定感を持てる姿を目標に置く。
従来の"強い人事"がキャリア自律を妨げ、エンゲージメントを低下させてきたとするなら、タテ・ヨコ・ナナメで意見を交わす場を運営することで、コラボレーションを起こし、エンゲージメントの向上も期待できるのではないかと提案する。一方で、多様性には分断と衝突のリスクも内包していると認め、組織の力へ転換するマネジメントが重要だとも述べている。メンバーの責任範囲を明確にする、チームの心理的安全性を確保する、アンコンシャスバイアスを乗り越える、といった組織開発の9つの視点を整理したうえで、ケースを紹介しながら5つの取り組みを具体的に導く。
多様性を高める段階から活かすフェーズへ移行期の打ち手が見えてくる1冊だ。
(久島豊樹/HRM Magazine より)






















