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2021年10月25日

2021衆院選、与党の獲得議席ラインと政治状況

自民の減り幅と単独過半数が焦点、注目選挙区は?

sc211025.jpg 政治勢力の構図を決める衆院選は、31日に投開票を迎える。自民、公明の与党と、共闘を強める野党勢力、そして改革保守の日本維新の会が「選択のかたち」をつくり、国民に支持を呼び掛けている。議席獲得を狙える新党のいない高揚感なき選挙戦が展開され、既存9党のどこにも強い追い風は吹いていない。マスコミはどこかが大勝すると「1強」を批判して憂い、バランスよく着地すると「勝者なき衆院選」と脱力感を漂わせるが、有権者は肌で感じる地域事情や国家観などを総合して重い1票を投じる。2021衆院選の特徴と着眼点を整理する。(労政ジャーナリスト・大野博司)

 解散総選挙とは名ばかりで、事実上、日程が読める任期満了の衆院選だが、自民は複数の小選挙区内で候補者調整に腐心。立憲、共産、国民、社民、れいわの5党もギリギリまでしこりを残しながら政党間調整を展開した。その結果、小選挙区と比例で1051人が立候補。1996年から続く現行制度で最も少ないが、それは野党5党の調整の影響が大きい。30代以下の新人も初めて1割を切ったのは、若手の参画が多い傾向のある新党が誕生しなかったことも理由に挙げられる。

 今回の衆院選で「初」となる事象は、「令和で初」「コロナ禍で初の国政選挙」「野党共闘で初」などがある。候補者の顔ぶれを大雑把に分類すると、「世襲」「官僚出身」または「世襲兼官僚出身」が際立ち、次いで元知事や県議、市議など地方政治経験者が並ぶ。世襲・官僚でない民間人では、弁護士や医師、記者、フリーアナウンサーが目立ち、比例名簿の下位には党職員が連なる。

自民の攻防ラインは

 「岸田政権の信任を問う」選挙戦。465議席(小選挙区289、比例176)の勢力図でその結果がでる。国会運営と予算や法律を成立させやすい「絶対安定多数」の261議席を超えるのが党幹部の目標だが、過去3回の選挙とは異なる自民党への批判や、132選挙区で実現した野党統一候補との一騎打ちを考慮すると、現有の276議席から減るのは織り込み済で、減り幅をどの程度に抑えるかが焦点となっている。

 261議席はもちろん、単独過半数の233議席を割るとなると...


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