スペシャルコンテンツ記事一覧へ

2022年10月24日

◆経済トピックス◆止まらない円安、物価高でも

大幅な賃金アップは望み薄?

 物価上昇が止まらない。総務省が21日に発表した9月の全国消費者物価指数(CPI、20年=100)は変動の大きい生鮮食品を除く総合で前年同月比3.0%上昇と、ついに3%台に達した。しかし、働く人の賃金はCPIの伸び率を下回ったままで、家計を圧迫している。大きな要因が急激な円安の進行であり、先行きは混沌としている。(本間俊典=経済ジャーナリスト)

sc221024_2.png 消費増税の影響を除くと、CPIの上昇率が3%台となったのはバブル崩壊直後の1991年8月以来、およそ31年ぶり。ウクライナ危機に伴う原材料価格の高騰に加えて、記録的な円安が輸入材の価格を押し上げている。中分類でみると、電気代・都市ガス・水道などのエネルギー価格が前年同月比17.4%上昇しているのが突出しており、石油製品も同9.1%、生鮮食品を除く食料も同5.9%値上がりしたのが目立つ。

 他の先進国と比べると、米国の8.3%、ドイツの7.9%、韓国の5.7%(いずれも8月)、英国の10.1%、フランスの6.1%(いずれも7月)など、日本よりはるかに上昇率の高い国が多い。それにもかかわらず、日本の上昇率が「高まった」と注目されるのは、賃金が上がらないためだ。

sc221024.JPG 厚生労働省の毎月勤労統計によると、働く人の名目賃金から物価上昇分を差し引いた実質賃金は、今年に入って1~3月は低水準ながらプラスだったものの、物価上昇が本格化した4月からマイナスに陥り、8月まで5カ月連続のマイナスが続いている=グラフ。賃金が上がってもそれが物価上昇に追いつかず、生活水準が下がっていることを意味している。

 この間、春闘で企業の賃上げが相次いだが、連合の集計では平均賃上げ率は2.07%、経団連の集計でも同2.27%で、4月以降の物価上昇率を下回る水準のため、実質賃金もマイナスが続いているのだ。プラスに転じるためには、物価上昇率を下げるか、賃金の上昇率を高めるかのいずれか、あるいは両方を実現させるしかない。

 今のところ、物価上昇率を下げるのはまず不可能だ。それは...


※こちらの記事の全文は、有料会員限定の配信とさせていただいております。有料会員への入会をご検討の方は、右上の「会員限定メールサービス(triangle)」のバナーをクリックしていただき、まずはサンプルをご請求ください。「triangle」は法人向けのサービスです。

【関連記事】
「物価高倒産」倍増の159件
22年度上半期、帝国データ(10月11日)

  • 会員限定メールサービス「triangle」
  • 労政インタビュー
  • 実務詳解 職業安定法
  • 実務詳解 職業安定法
  • 人材ビジネス総合支援システムORIDA
  • FLJ
  • 社会保険労務士法人すばる
  • CROSS STAFF
  • 社労士法人ユアサイド中宮伸二郎
  • 労働新聞社
  • 三松堂株式会社
  • ワイン
  • HRMマガジン

JAPAN PRIVACY CONSULTANTS ASSOCIATION

PAGETOP