2026年春闘は連合が掲げた「3年連続の5%以上賃上げ」という大目標は実現しそうな勢いだ。しかし、格差是正に向けた「中小は6%以上」目標は実現困難な見通しとなり、結果として物価上昇を上回る賃上げが実現するかどうかは不透明な状況になっている。(報道局)
連合が4月17日に発表した4回目の集計によると、全体では1万6879円、賃上げ率5.08%と5%の大台を維持した=グラフ。しかし、組合員300人以上の大・中堅企業が1万7209円、5.10%なのに対して、300人未満の中小企業は1万3394円、4.84%となり、金額、率ともに開きが出たうえ、3回目まで維持して来た5%台を割り込んだ。
連合は今年、大企業と中小企業との格差是正に向けて「中小組合は6%以上」と目標を分け、中小が大企業を上回る賃上げを目指してきた。しかし、結果は目標から大きくかけ離れ、格差は逆に拡大しそうな情勢になっている。むしろ、24年の4.45%、25年の4.65%を上回るかどうかが現実的な目標になっている。
多くの中小企業にとって、大幅賃上げは最大の経営課題になっているが、体力的に"賃上げ疲れ"が出てきていることも事実だ。東京商工リサーチが2月初めに実施した調査では、賃上げ予定企業の賃上げ率で最も多かったのは「3%以上~4%未満」で、大企業は39.5%、中小企業は32.5%を占めた。連合が掲げる「5%以上」の企業は全体では35.5%あった一方、中小で「6%以上」と答えた企業はわずか7.2%だった。
大手からの受託業務の多い中小企業は、物価上昇に伴うコスト増を十分に価格転嫁できない企業が多く、同社の調査でも25年度中に取引先との価格協議で「一部転嫁できた」企業は49.3%、「十分転嫁できた」企業は7.9%に過ぎず、両者を合わせても6割程度。春闘結果もそれを裏付ける水準になっており、価格転嫁分を賃上げの原資にするには"力不足"の感が否めない。しかし、人材の引き留め策として賃上げせざるを得ない中小の実態は、昨年以上に厳しいものがあり、対応できない企業の淘汰が進みそうだ。
3月18日の集中回答では、芳野友子連合会長は大企業で相次いだ満額回答について、「(労使で)人への投資の重要性への認識共有を図り、粘り強く交渉した結果」と評価し、「後に続く組合の交渉を力強く後押しするものだ」と中小企業に賃上げの勢いが波及することに期待感を示した。経団連の筒井義信会長も「この回答が中小企業をはじめ、これから労使交渉が本格化する多くの企業に波及し、賃金引上げの力強いモメンタムのさらなる定着が実現することを強く期待したい」とコメントした。労使ともに、大企業の勢いが中小企業に波及する期待感をにじませたが、結果は期待通りにならなかった。
実質賃金のプラス定着に、中東情勢の"試練"
一方、全体の実質賃金を「1%上昇軌道」に乗せるという目標は視界良好になってきた。 厚生労働省の毎月勤労統計によると、...
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