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2015年1月13日

昨年の実施企業は最低の31社  東商リサーチ「希望・早期退職者募集状況」

 東京商工リサーチが13日発表した昨年の「希望・早期退職者の募集状況」によると、募集を公表した上場企業数は前年より23社少ない31社で、2000年の調査開始以来の最低となった。募集人員は7098人で同3700人近く少なく、3年ぶりに1万人を下回った。

 アベノミクスに伴う急速な円安進行から、上場企業の業績が輸出企業を中心に改善したことが背景にあるとみられる。

 募集人数の多かったのはルネサスエレクトロニクス(グループ会社を含む)の応募2782人。次いで、日立化成(同)の応募1248人、東京電力の応募1151人など。募集、または応募人数が100人以上は9社にとどまり、前年の26社から大幅に減った。

 東商リサーチでは、人員削減の動きは落ち着いた感もあるが、今年初めに電通が業績は好調でも従業員の転身を後押しする形で早期退職者募集に踏み切ったこともあり、将来のビジネス展開を見据えて、業績の好不調に関わらず人員削減に踏み切る企業が出てくる可能性もあると予測している。

倒産件数、24年ぶり1万件下回る
上場企業倒産も24年ぶりのゼロ

 一方、昨年の全国企業倒産(負債総額1000万円以上)は9731件、負債総額は1兆8740億円となった。倒産件数は前年比10.3%減で6年連続で前年を下回り、1990年以来、24年ぶりに1万件の大台を下回った。上場企業の倒産も24年ぶりのゼロとなった。

 要因としては、金融機関が中小企業のリスケ(債務返済)要請に応じていること、4月の消費税率引き上げに対応して景気対策として実施された公共事業の前倒し発注の効果などが挙げられる。

  負債総額は同32.6%減で2年連続で前年を下回り、1990年以来、24年ぶりに2兆円を割り込んだ。

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