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2020年6月 1日

伸び率8.5ポイント減、新型コロナで勢い鈍化 19年度下半期の転職紹介実績、人材協

 ホワイトカラーを中心とした民間職業紹介の事業者団体・日本人材紹介事業協会が5月29日発表した2019年度下半期(19年10月~20年3月)の会員大手3社の転職紹介実績(速報値)によると、転職紹介人数は3万9445人(前年同期比4.3%増)となり、上半期と比べて伸び率は8.5ポイント減少した。

 転職市場は13年下半期以降から概ね2ケタ台の大幅な伸びを続けてきたが、その勢いは鈍化=グラフ。新型コロナウイルス感染拡大に伴う影響が表れ始めたとみられ、今後の推移が注目される。

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 調査に協力しているのは、同協会会員企業のジェイ エイ シー リクルートメント、パーソルキャリア、リクルートキャリアの3社。

 19年度下半期の業界別(首都圏)では、対象の6業界のうち、「電機・機械・化学等製造」が5471人(同3.8%減)、「金融」も1702人(同0.2%減)でマイナス。「IT・通信」が6442人(同9.8%増)、「建設・不動産」は2671人(同7.7%増)、「コンシューマー(流通、小売り、サービスなど)」が7740人(同1.0%増)、「メディカル」が2057人(同8.4%増)とプラスを維持したが、伸び率は全業種で低下した。

 地域別では、「北海道・東北エリア」が701人(同20.7%増)、「首都圏」が2万6100人(同3.1%増)、「関西圏」は6775人(同2.9%増)、「中部圏」が3846人(同2.8%増)、「中国・四国エリア」が916人(同23.0%増)、「九州エリア」が910人(同14.0%増)と、すべてで前年同期を上回った。しかし、上半期では2割から5割の幅で上回っていただけに、全域で鈍化の様子がみられる。

 求職者の転職時の年齢は、「25歳以下」、「26~30歳」、「36~40歳」、「41歳以上」の年齢層で増加したものの、「31~35歳」はマイナスに転じた。人数で最も多かったのは「26~30歳」の1万3351人(同0.6%増)で、次いで「31~35歳」の7915人(同0.9%減)、「25歳以下」の7897人(同9.6%増)、「41歳以上」の5624人(同14.6%増)、「36~40歳」の4658人(同5.0%増)と続いた。


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