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2021年2月 9日

20年現金給与は1.2%の大幅減 12月も9カ月連続減、毎勤統計速報

 厚生労働省が9日発表した毎月勤労統計の昨年12月速報値(従業員5人以上)によると、労働者1人あたり現金給与総額は54万6607円(前年同月比3.2%減)で4月から9カ月連続のマイナスとなり、マイナス幅も5月の同2.3%減を大きく上回った。実質賃金指数(2015年=100)も170.8(同1.9%減)で3月から10カ月連続のマイナス。

 基本給の所定内給与は24万5437円(同0.1%減)だったが、残業代などの所定外給与が1万8084円(同8.9%減)、冬のボーナスも28万3086円(同5.4%減)と大きく減少し、コロナ禍を浮き彫りにしている。

 雇用形態別では、正社員が中心の一般労働者は74万6784円(同3.7%減)、パートタイム労働者は11万1418円(同1.1%増)となり、正社員のボーナス減とパートの残業代減が目立った。

 月間総実労働時間は137.0時間(同2.4%減)で、2カ月連続の減少。月末の常用労働者数は5167.9万人(同0.6%増)で、パートタイム比率は31.54%(同0.25ポイント減)だった。

 この結果、2020年の年間平均(速報)では現金給与総額が31万8299円(前年比1.2%減)となり、2年連続のマイナスとなった。14年から5年連続でプラスを維持してきたが、19年は所定内給与やボーナスが減って同0.4%減と6年ぶりのマイナスとなったが、20年はコロナ禍によってマイナス幅をさらに拡大した。下げ幅はリーマン・ショックの影響を受けた09年の同3.8%減に次ぐ幅だった。実質賃金指数も98.6(同1.2%減)と2年連続のマイナスだった。

 基本給は26万2308円(同0.7%減)、残業代などの所定外給与は1万7352円(同12.1%減)と残業代の減少が目立ち、緊急事態宣言に伴うテレワークの拡大などが要因。一般労働者が41万7330円(同1.7%減)、パート労働者が9万9390円(同0.4%減)とどちらもマイナスだった。

 月間実労働時間は135.1時間(同2.8%減)、常用雇用者数は5129.8万人(同1.0%増)となり、パート比率は31.14%(同0.39ポイント減)だった。


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