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2021年6月25日

障害者就職、12年ぶり減の約9万件 コロナ禍で求人大幅減、20年度厚労省

 厚生労働省が25日発表したハローワークを通じた2020年度「障害者職業紹介状況」によると、新規求職の約21万2000件(前年度比5.1%減)に対して就職件数は8万9840件(同12.9%減)と大きく減少した。求人、就職とも19年度の件数がピークだったが、就職件数の減少は08年度以来12年ぶり。新型コロナウイルスの感染拡大で企業の採用活動が停滞したため。

 障害別の就職件数は身体が2万25件(同21.4%減)、知的が1万9801件(同9.6%減)、精神が4万624件(同18.1%減)といずれも大きく減少した。

 厚労省によると、製造業、宿泊・飲食サービス業、卸売・小売業など、障害者が応募しやすい業種の求人がコロナ禍で減少したうえ、求職者の活動が抑制されたことも要因。また、解雇者数は2191人(同117人増)だった。

障害者雇用の相談246件 20年度厚労省調査

 厚労省が同日発表した2020年度「雇用の分野における障害者の差別禁止・合理的配慮の提供義務に係る相談等実績」によると、ハローワークに寄せられた相談は246件(前年度比8件減)で、そのうち合理的配慮に関するものが177件(同2件減)、差別禁止に関するものが69件(同6件減)だった。

 これに対して、ハローワークが企業に対して実施した助言は54件(同22件減)で、指導・勧告はなかった。労働局による紛争解決の申し立て受理は12件(同9件増)、調停申請受理は5件(同8件増)となった。

 障害者雇用促進法では企業に対して差別的取り扱いの禁止、合理的配慮義務、相談体制の整備などを義務付けている。

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