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2026年4月21日

【ブック&コラム】『君の仕事は誰のため?』

90歳を過ぎても週5日働く理由

c2604_1.jpg著者・郡山 史郎
青春出版社、定価1287円(税込)


 高度経済成長期から長く勤務してきたソニーでの経験を織り交ぜ、39話に及ぶエッセイをまとめた1冊。ソニーを離れた後は68歳で起業し、90歳を超える今も朝から通勤電車に乗り週5日働いていると著者は打ち明ける。

 自分のため・家族のため・仲間のため・社会のため、と働く理由は年代によって変わってきたと振り返り、定年後は自分のペースでいいとアドバイスを綴る。盛田昭夫氏、井深大氏とも直に話せる立場にいて、特に井深氏からは「自分のために働くな、会社のために働くな」と謎をかけられ「次の世代を豊かにするために」と諭されたと述懐する。また、定年後の働き方では、「蓄積のある自分のほうが何でも知っている」という態度では「老害」に陥るので、頭の切り替えが必要とも訴える。知力・体力が衰えてくると、勝者も敗者もなく、補い合う「共存」の価値が大きくなると語りつつ、勝つ必要はないが諦めずに粘るメンタルは大事だと言い添える。

 定年が近づき引退が頭をよぎる読者には、今一度襟を正したくなる読み物かもしれない。

(久島豊樹/HRM Magazine より)

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