ニュース記事一覧へ

2022年1月28日

医療機関の休廃業567件の過去最高 高齢化とコロナで、21年帝国データ

 帝国データバンクが28日発表した「医療機関の休廃業・解散動向調査」によると、2021年の倒産は33件(前年比6件増)だったが、倒産に依らない休廃業・解散は567件(同53件、10.3%増)と大きく増え、16年以降の最高となった。経営者の高齢化に加え、新型コロナによる経営不振が要因とみられる。休廃業は19年以降、3年連続で500件を超えている。

 休廃業の形態別では診療所(病床数20未満)が471件、病院(病床数20以上)が12件、歯科医院が84件。診療所は431件が無床、40件が有床。休廃業件数は倒産の17.2倍で、全業種の9.1倍に比べるとはるかに高い。医療機関は一般企業より公共性が高く、患者数が景気動向に左右されにくいことから、安定経営の基盤が強いため。

 しかし、診療所の場合、経営者の年齢は60代が40.5%、70代以上が42.0%で、合わせると82.5%が60代以上という高齢組織になっているものの、後継者を定めない診療所が多いうえ、コロナ対策設備の拡充や看護師らの人材確保が困難になっていることから、同社は「今後は休廃業がさらに増える可能性がある」と予測している。

【関連記事】
昨年の休廃業・解散企業は4万4377件
コロナ対策で前年比1割減少、東商リサーチ(1月18日)

PAGETOP