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2023年6月 5日

昨年の育休取得率は47.5% 大企業は急伸、経団連

 経団連が5日発表した「男性の家事・育児」に関する企業アンケート調査によると、2022年の男性従業員の育児休業取得率は47.5%(前年比18.2ポイント増)と大きく伸び、平均取得期間も43.7日で、1カ月以上取得している企業の比率は約6割に上ったことがわかった。

 取得率の急増は、昨年4月から企業が従業員に対して育休取得の個別周知・意向確認をすることを義務付けたこと、10月から「産後パパ育休」制度ができるなど、育休の分割取得ができるようになったことなどが主要因、と分析している。

 平均取得期間は43.7日だが、最も多かったのは「1カ月以上~3カ月未満」の49.4%で、「2週間以上~1カ月未満」が18.0%、「5日以上~2週間未満」が12.8%、「3カ月以上~6カ月未満」が10.5%など。1カ月以上の取得率が6割に達している。

 ただ、企業規模によってかなり開きがあり、「5001人以上」企業では「1カ月以上~3カ月未満」が69.2%に達したのに対して、規模が小さくなるほど取得期間は短くなり、300人以下では「5日未満」が最多の46.2%になっている。

 取得促進策として挙がったのは「時短の導入」、「社内周知」、「テレワークの導入」などが8割以上に上った(複数回答)一方、課題として「代替要員の不足」、「職場風土(アンコンシャス・バイアス)」、「長時間労働や硬直的な働き方」などを挙げる企業が多かった。

 調査は4月17~5月11日に実施し、会員企業1518社のうち278社から有効回答を得た(回答率18.3%)。回答企業のうち製造業は127社、非製造業は151社で、企業規模は1001人以上の大企業が70.5%を占めている。

エン・ジャパン調査では、わずか8%

 経団連の調査は大企業が中心のため、男性の育休取得率がかなり高く出ている可能性が高い。エン・ジャパンが同日発表した「ミドルに聞いた男性育休実態調査」(3月9日~5月8日実施、「ミドルの転職」ユーザーで35歳以上の2066人)では、9割の男性が育休取得を望んでいるにもかかわらず、実際に取得した人は1割未満に過ぎないという結果が出ている。

 今後、子供が生まれた場合の育休取得について男性に聞いたところ、「積極的に取得したい」が47%、「できれば取得したい」が42%で、合わせると89%に達したが、子供のいる男性に聞いたところ、「取得した」は8%で、残りは取得しなかった。取得期間も「1日~5日」が最多の43%を占め、これを含む「1カ月未満」が74%に上っている。


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