人材派遣事業者の有志が研鑽(けんさん)を積んで業界が抱える課題の解決を探る「派遣元座談会」(本部・東京都港区)が、発足から11年の活動を踏まえて9月に一般社団法人化された。17日、法人化して初めての勉強会が都内で開かれ、工藤勝馬理事が「採用や育成などの課題共有や情報交換、最新の労働法制の理解とコンプライアンスはもちろん、ビジネスマッチング機能も強化していきたい」と抱負を述べた=写真。
「派遣元座談会」は、2013年の発足以来、毎月定例会を開催して労働法制の最新動向を学んだり、業界の共通課題である採用や定着、育成などをテーマに情報交換を重ねてきた。派遣元責任者講習会をはじめ、人事・総務分野のコンサルティングサービスを展開するフィールドプランニングが運営を行い、会員各社の事業領域の拡大と成長を後押ししている。
法人化の狙いとして、これまでの学びと情報共有の場を公式のテーブルに発展させ、各社が所有する受注案件のシェアやリソースの提供でビジネスマッチングの機能も拡充する。活動内容として、(1)派遣元座談会の月次定期開催(2)会員企業に向けた各種法令に関する勉強会の開催(3)会員企業同士のビジネスマッチングスキームの提供(4)若手交流会の開催(5)人材派遣サービスの事業運営に有用な各種サービスの情報提供(6)その他、この法人の目的の達成に必要な事業――を掲げている。
この日は、会場定員いっぱいの約50人が参加。工藤理事の挨拶や参加者の自己紹介の後、アドバンスニュースの大野博司報道局長が「派遣事業を取り巻く最新情勢と労働法制の舞台裏」と題して講演。人材サービス事業に関連する賃金の情勢や業界の成長速度、外国人材の推移などについて報道視点から解説した。続いて、参加者たちは具体的なビジネスマッチングをテーマに交流を深めた。