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2017年11月 9日

半数近い管理職が介護退社を「考えた」  7割以上が仕事との両立に不安 アデコ調査

 アデコが8日発表した「介護と仕事の両立」に関するアンケート調査によると、家族の介護を経験したことのある企業の管理職のうち、介護を理由に「何度も退職を考えた」が19.5%、「1、2度考えた」が28.0%あり、両方を合わせると退職を考えたことのある人は47.5%に上ることがわかった。

 退職を考えた理由(複数回答)は、「体力や精神的負担・不安」が20.7%、「要介護度の変化、介護を優先」が18.2%と上位を占めた。一方、退職を考えなかった人に理由を聞くと、「収入面の不安」が26.0%で最も多かった。

 介護と仕事の両立について、不安を感じた人は「とても不安」が29.3%、「どちらかといえば不安」が48.0%あり、両方を合わせると77.3%の人が不安を感じたこともわかった。

 介護の支援制度としては介護休業・休暇などがあるが、63.2%が「制度を利用しにくい」と回答。理由は「自分の業務に支障が出る」「部下の業務に支障が出る」「介護を理由に休みを取る管理職はいない」「休みを取りにくい雰囲気がある」などが挙がった(複数回答)。

 これらの結果について、アデコは「管理職の退職は、本人のキャリア開発にも会社の生産性にも悪影響を及ぼす要因となるため、企業は制度を利用しやすい職場風土の醸成と労務対策が求められる」と解説している。

 調査は10月、親族の介護経験があり、直属の部下を持つ管理職600人を対象に実施した。

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