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2011年2月12日

【この1冊】 『AKB48の経済学』

「ユニクロ=牛丼=AKB48」!?

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『AKB48の経済学』
著者・田中秀臣
朝日新聞出版、定価1200円+税

 書名もそうだが、副タイトル「AKB48がわかれば日本経済がわかる」に引かれて、つい手にしてしまった。ほんとかいな? で、そのまま一気に読み上げた。

 AKB48は東京・秋葉原で生まれたアイドルグループ。アキバといえば、オタク文化のメッカ。そこに専用の「AKB48劇場」を持ち、低価格のステージでオタクたちを魅了する。

 オタクの中心は、草食系フリーターとでも言えばいいのか、金のかからないインターネット文化の担い手たち。これまでのアイドルはテレビで活躍し、ライブのチケットも高い。オタクたちには高根の花だが、AKB48は違った。アキバに行けば、「会いたかった」メンバーと話ができる、サインももらえる、ブログで自慢もできる。

 これだけなら、オタク文化論だが、そこから先が経済学者らしい。公開オーディション、パッケージ売りとバラ売り、「総選挙」による格付け、ジャンケンによるCDメンバー選抜など、従来のアイドル育成とは違う、徹底した透明性と競争原理の導入でグループの質を高め、それがファン拡大につながっているという。

 デフレ経済下では低価格品と非正規労働者が“主役”となり、そこで業績を伸ばしている代表がユニクロ、牛丼、AKB48。テレビのアイドルだった「おニャン子クラブ」「モーニング娘。」の成功と不成功を教訓に、プロデューサーの秋元康氏は新しいビジネスモデルを築いたと分析する。

 そのAKB48も、名古屋にSKE48、大阪にNMB48と分家ができ、アイドルも“地産地消”の時代。デフレカルチャー、オタク文化に漂う、マイナーなほの暗さが消えていく。このまま増殖すると、地下アイドルがメジャーになっちゃうよ。 (りえ)

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