厚生労働省が5日発表した毎月勤労統計調査の4月速報値(従業員5人以上)によると、労働者1人あたり現金給与総額は30万2453円(前年同月比2.3%増)で40カ月連続のプラスとなった。しかし、物価上昇分を差し引いた実質賃金指数(20年=100、持ち家の帰属家賃を除く)は83.7(同1.8%減)と4カ月連続のマイナスで、コメや光熱費など物価高騰に賃金が追い付かない状況が続いており、今春闘の賃上げ効果もまだ出ていない。
給与額のうち、基本給などの所定内給与は26万9325円(同2.2%増)に増えた。雇用形態別の総額は、正社員が中心の一般労働者は38万8583円(同2.6%増)、パートタイム労働者は11万1291円(同2.2%増)だった。
産業別で大きく伸びたのは、3月と同様に「鉱業、採石業等」の38万4603円(同30.7%増)と「金融、保険業」の44万9453円(同9.2%増)。16産業のうち、「運輸、郵便業」だけが33万296円(同2.9%減)のマイナスとなり、多くの産業で賃上げを実施した形跡はある。
月間総実労働時間は139.7時間(同1.2%減)。月末の常用労働者数は5151.1万人(同1.7%増)で、パートタイム比率は30.84%(同0.36ポイント増)に低下した。