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2011年7月23日

【この1冊】『ユーロ・リスク』

 ユーロ各国のリスク別分類がわかりやすい

yurorisuk.png『ユーロ・リスク』
著書:白井さゆり
日本経済新聞出版社、定価890円+税

 

 著者はIMFのエコノミストも経験している国際政治経済学の専門家。『欧州迷走』(2009年)『欧州激震』(2010年)を書き、欧州危機の早い段階から欧州の財政・金融問題に警鐘を鳴らしてきたが、それらを集大成しつつ、「前2著では触れていない新しい動きとともに、異なる角度から欧州問題に切り込んでいる」。

 具体的には、ユーロ圏内の財政不安リスク、共通通貨ユーロ自体の信認リスクの二つの視点から、ユーロ各国を高リスク国、中リスク国、低リスク国に仕分け・分類している。

 ユーロ崩壊などの悲観論が増えつつある中で、著者の立場は欧州統合に対する長期的楽観論である。即ち、欧州は「戦後、辛抱強く、ともに共同体と共通通貨を作り上げてきたと言う連帯意識は強く、深い」という。

 従って、今回の危機をきっかけに「欧州は新しい統合段階に向けて新たな幕を開けることができたようである」というのが著者の結論だ。ただ、「新しい統合段階」の具体的イメージやユーロ圏内の利害解消の方向性については必ずしも明確ではなく、欲求不満が残る。

 ただ、本書の分析は分かり易く、各国ごとの異同にも十分目配りされており、複雑・多様な欧州危機の現状を理解するには、最適な入門書といえよう。(酒)

   

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