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2013年6月15日

【この1冊】『仕事ができる人はなぜモチベーションにこだわらないのか』

「モチベーション0.0」に立ち返れ!

c130615.jpg著者・相原孝夫
幻冬舎、定価740円+税

 

 ハイパフォーマーたちに「調子の出ないときにどうするか」と聞くと、「やるべきことを淡々とやる」との答えが共通して返ってくるという。その事実から、本書は“モチベーションに左右されない働き方”を深掘りする。

 モチベーションは、①個人の内面の問題、②私的な事情に左右される、③“気分が乗らない”など些細で贅沢な悩み、といった特性を持つがゆえに、企業研修やマネジメントの対象にはならないと割り切る。さらに、会社がモチベーション向上を公式に打ち出すことで強迫観念化し、パワハラや長時間残業等の歪みを生み、メンタル疾患も増殖させているのではないかと疑う。「手を抜かない」「仕事への心意気・誇り」といったハイパフォーマーを支える価値観に“気分”の入り込む余地はないとも見抜き、『モチベーション0.0』と名付けた独自のワークスタイルを提唱している。

 「やる気」に訴求するのではなく、基礎(型)を積み上げ、取り組みを習慣化し、安定した結果を出していくという労働倫理を改めて確認する視点は大いに共感できる。

(久島豊樹/HRM Magazine より)

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