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2013年11月 9日

【この1冊】『3年後、残る人 あぶれる人』

1万人に1人の逸材になる方法

c131109.jpg著者・キャメル・ヤマモト
日本実業出版社、定価1400円+税

 

 ボーダーレスなビジネス環境下で、人材のユニークさをいかに強化して生き残っていくかという「強味論」が本書の論点だ。ルーティン業務や社内限定のスキルは、ロボットや新興国の労働力に取り込まれる(安い賃金に据え置かれる)とし、「1万人に1人」の代替不能な人材を目指せと読者の背中を押す。

 といっても過酷な消耗戦を恐れる必要はなく、鍵は「複数の専門性」とそれを「つなぐ力」にあると種を明かす。3~5年で身につく専門性は100人に1人のレベルだが、例えば2つの強味・専門性を持てば、乗じて「1万に1人」の存在になれるという計算だ。その組み合わせの要素では、複数の「職種」はもちろん、「職務」「地域」「語学」「リーダーシップ」、はたまた「失敗ばかりするが、それをさらけ出せる」「心配性ゆえにリスクを洗い出せる」といった性格もユニークさを支える強味になると指摘している。

 1つの領域を体系的にマスターできれば、他の専門性の獲得も加速度的に進むとし、目標を立て習慣に落とし込み行動するところまで勇気づけてくれる。


(久島豊樹/HRM Magazine より)

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