コラム記事一覧へ

2014年5月31日

【この1冊】『レジリエンスビルディング』

復活するスキルに要注目

c140530.jpg著者ピースマインド・イープ
英治出版、定価2400円+税

 

 ストレスに負けずに“しなやかに回復する力”を「レジリエンス」と定義づけ、人と組織の両面から強化していく取り組みをガイドしている。海外進出や新事業への展開など環境変化が避けられない状況であるなら、その変化を当然のこととして受け入れ、成長の糧にしていく強さが個人にも組織にも求められるとの前提に立っている。

 不調を予防する(マイナスをゼロにする)メンタルヘルスでは足らず、ポジティブ心理学の知見を借りて、プラス志向の価値(幸福感)を意識したアクションを見据えている点も特徴の1つだ。ビジネスパーソン向けには、①信念、②人間関係、③考え方、④専念する力、⑤自己コントロール、⑥良い習慣、の6つの学習要素を示し、これらを磨き上げて強化するステップを解説。内外の事例やインタビューを交え、先行する企業の導入ストーリーも紹介されているので、読者の理解は容易だろう。

 「鉄や石ではなく竹のような柔軟性」と示唆されている“レジリエンス”のスキルは、混迷する時代ゆえに注目に値する。

(久島豊樹/HRM Magazine より)

PAGETOP