公職選挙法に則った選挙には、それぞれに決められた投票日がある。正式には「投票期日」(総務省)という。日本では概ね日曜日に設定され、開票もその日の深夜までに終えるのが一般的だ。一方で、投票日でなくても「公示・告示された翌日から投票日前日まで」に投票ができる「期日前投票」が有権者の間に広く浸透してきている。
2003年12月から始まった制度だが、類似したものは「不在者投票」という名で古くから存在した。その違いを極めて簡潔に言うと、「不在者投票よりも(不在理由)の要件が大きく緩和された」ところにある。厳密には「公示・告示日当日の投票が認められていた不在者投票に対し、期日前投票は『翌日から開始』」と狭められた部分もあるが、これに関する支障は聞かない。
運用が始まって既に13年が経過した。投開票日の当日、報道各社は抽出した複数の投票所の出口で無作為に有権者に声がけし、協力に応じてくれた有権者から(自身による)記述形式の、いわゆる「出口調査」を行う。選挙管理委員会の公式な開票結果の前に、候補者の当落を判断する有力な指標とするためだ。これによって、当確を打つ判断のベースとしたり、カメラを含む選挙事務所取材班の配置や人数などを決めたりする。報道側にとって、緊張感のある重要な調査となる。
不在者投票の時代は、「出口調査=当落結果」という状況にあった。しかし、この期日前投票が普及して投票率の1割以上を占めるようになったあたりから、当日の出口調査ではつかみにくい「期日前の票の行方」が報道各社を悩ませるようになった。僅差で争っている選挙区などは、なおさら頭が痛い。
「期日前も毎日のように調査すればいいじゃいか」――。そうした声もあるが、課題は2点。ひとつは出費がかさむこと。もうひとつは、投票日と異なり、学区の小中学校や公民館などではなく、当該地域の役所や支所の一室を期日前投票所とすることが多いため、屋内(庁舎内)で投票を済ませた有権者を外に出るまで後をつけなければならず、好ましい行為ではない。それでも、報道各社は限りなく精度を高めるためにさまざま工夫を凝らしているが、期日前投票の割合が高くなると、やはり一定の不安が消えないことは確かだろう。






















