7月10日投開票の第24回参議院議員選挙を皮切りとして、投票制度にいくつか変化がある。議員定数や違反行為の内容など、選挙に関する数多くの事柄が盛り込まれた「公職選挙法」の中に、投票制度のルールもある。法改正によって、投票制度も時代に合わせて変化している。今回、最も注目されるのは「18歳投票権」の適用だが、これはマスメディアが約1年かけて多面的に報じているので、本欄では「共通投票所」の導入について触れてみたい。
これは、2カ月前に改正されたばかりの新たな仕組み。従来、投票日の当日、有権者は各自治体の選挙管理委員会が指定する「ひとつの投票場所」だけでしか投票できなかった。しかし、4月6日に成立した改正公選法で、同じ自治体の有権者であれば指定場所以外でも投票することができる「共通投票所」の設置が認められた。要するに、「人が集まりそうな駅やショッピングセンターなどに投票所を設けてもいいよ」ということ。設置はあくまで、各自治体の判断に委ねられるのだが...。
狙いはひとつ。投票率低下の歯止め策だ。期日前投票も柔軟に運用されている昨今、ここまでしないと投票に行かない有権者が多いのもどうかと思うが、話を「共通投票所」の課題に絞りたい。というのも、この“画期的”とも受け止められる新制度が、今回の参院選でほとんど機能しない様子だからだ。
調べてみると、東京23区をはじめ、道府県庁の所在地となる46市のすべてで共通投票所設置のアナウンスがない。東京都港区の選管に尋ねてみると、どうやら理由は「二重投票」(意図的、過失を問わず1人が2票投票)を防ぐ体制が急には難しいとのこと。指定の投票所と共通投票所をオンラインで結んでリアルタイムに有権者の動向を把握する必要があるものの、このシステムづくりには相応のお金がかかるという。
ただでさえ、国政選挙のたびに全国のいくつかの自治体では、選挙区と比例区の投票箱への誘導を何人分か間違えたり、開場時間(午前7時)に何らかの理由で開場できずに並んで待っていた有権者が帰ってしまったりといった「選管ミス」のトラブルが起こる。そんな状態では、余計にトラブルが増えそうな新制度導入に、自治体からためらいが出る気持ちも分かる。アイデアは悪くない「共通投票所」だが、いろいろな意味で時期尚早といった模様だ。






















