「絵解き」と書いて「えとき」と読む」。辞書を引くと「絵の意味を説明すること。絵を描いて説明を補うこと」とある。あまり日常生活の中で使われる言葉ではないが、総合ニュースを発信している媒体の記者の間では、珍しい言葉ではない。厳密には辞書の意味とは少々異なるタッチで使われており、業界用語に近いのかもしれない。新聞で例えると、季節感あふれる写真を大きく一面の中心あたりに飾る“囲み記事”のことだ。一部、媒体によっては違う用語で呼ぶところもあると聞く。
新聞紙面はいつも、国内外の政治や経済、事件・事故が主体となる。一般的に、スポーツ欄の前後あたりの紙面に、各種行事や催し物などが写真付きでワイドに紹介されているものの、そこは団体や個人の活動にスポットを当てたものが多い。一方、「絵解き」は、活動報告的な記事とは一線を画し、老若男女に関係なく「遍(あまね)く、みんなに季節感や節目を堪能してもらいたい」との狙いが込められている。ゆえに、ページをめくらなくても誰の目にも飛び込んでくる一面に置かれる。
具体的には、啓蟄(けいちつ)や春分、夏至、冬至などの「二十四節季」、端午や七夕などの「五節句」をはじめ、十五夜や6月の衣替え(学生の夏服移行)、土用のウナギ、海開き、帰省ラッシュなども「絵解き」の対象だ。さらりと挙げただけでも、年間を通して何かしらある。
こうした季節感を味わってもらうために主役となるのは、文章より写真。言葉で長々と由来や暑さ寒さをつづってみても伝わりにくい。一枚のカット写真が物を言う。通常は報道記者が撮影許可などの段取りをして、写真部記者がベストショットを撮影する。写真部も重い機材を背負って懸命だ。
ところが、いつも都合よく展開しないのが現実。ここぞと思った場所の花の色づきがいまひとつだったり、行列が出来ていると想像したウナギのかば焼きの店舗にお客さんがまばらだったり。天候も含め、思惑通りに短時間で完了するのはむしろ稀(まれ)な方だ。記者の粘りと努力によって撮影された「きょうは〇〇」といった囲みの写真記事。年間の季節の節目が“絵”で楽しめる。無論、報道側は読者の信頼に応えるために「過剰な演出」にご注意を。






















