夏季のオリンピック(五輪)が、8月5日にブラジルのリオデジャネイロで開幕する。ここ20年ほど、開催数カ月前になると「競技場が未完成で突貫工事中」とか「開催都市の治安に不安」などのニュースが“定番”となっている。とは言え、これまでのところ、開会式が遅れたり、開催競技そのものが施設不備を理由に中止になったりしたことはない。危なっかしさは閉幕まで続くのだが。
世界最大のスポーツの祭典であるオリンピック。主役のアスリートではなく、報道媒体や取材担当記者はどのような段取り、手続きを踏んで現地に乗り込むのか。開催地が海外であることを前提にした話になるが、筆者の経験を振り返ってみたい。
まず、日本オリンピック委員会(JOC)とのやり取りが約1年前から始まる。夏季と冬季、あるいは開催都市によって「現地の取材枠」がある。要するに、日本の媒体でプレスセンターや公式のプレス宿泊施設などを活用できる定員数のことだ。この枠から逆算して、媒体の規模やこれまでの実績などを加味して、各社の取材記者の割り当て人数が決まる。「この選手を追いかけたい」とばかりに取材割り当てを申請しても、過去に媒体として継続的なオリンピック取材の実績がないと厳しい。
取材枠が決まるのが約1年前で、遅くとも2~3か月後には「誰が取材するのか」を明確にする届け出が始まる。誰を長期出張させるかは、各社のデスククラスが判断するのが大半のようだ。指名されると、よほどの理由がない限り記者は受諾するのだが、9カ月ほど先の取材なので、自分が現在担当している分野がスポーツ担当とは限らない場合も。東京渋谷区にあるJOCでの説明会などは特に問題ないのだが、現地のオリンピック実行委員会の事務局に宿泊日程の申し込みやプレスセンターの席数の確保、開会式の取材の有無、その他の有料サポートの選択など、書類を含むやり取りがこれまたひと苦労。
英語でやり取りするのだが、後日、送られてくる「申請確認内容」に食い違いがあるのは珍しくなく、相手側のリアクションも決して迅速でなかった記憶がある。自身の英語力の足りなさを棚にあげての“不満”だが、そうした日程や時間の基本線が決まらないと、往復の航空チケットの予約もできない。会社の総務部が助けてくれるものの、取材する本人が主導しないと進まないものだ。気が付くと、「開幕まで1カ月」の記事を執筆する時を迎えている。体調管理が最も大切な段階に入るのだが、なぜか社内外の仲間たちの「壮行会」が続く。






















