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2017年7月18日

【書評&時事コラム】『「中だるみ社員」の罠』

キャリア停滞の原因を分析

c170718.jpg著者・山本 寛
日経プレミアシリーズ、定価850円+税

 

 最近、仕事に燃えない。目の前の仕事に振り回されているだけ――。サラリーマンも中堅クラスになると、誰もこんな気持ちになることがある。いわゆる「中だるみ」状態だが、通常は何かをきっかけに再び仕事にバリバリ打ち込めるようになる。問題は、中だるみ状態が長期間続く場合であろう。

 本書では「“2年前と同じ”はなぜ危険なのか」「中だるみしやすい人、しにくい人の違い」など6章で構成。著者自身の取材に基づいた、さまざまな人のケースを紹介しているが、そこから感じられることは、中だるみの正体が必ずしも仕事の失敗や昇進の遅れといった、目に見えるものに限らないこと。個人の性格によっても、中だるみは生じるようだ。

 とすれば、中だるみをそれほど問題視する必要はなさそうだ。仮に昇給や昇進が「中だるみではない」ことの証明になるのであれば、出世競争に全力を注げばいい。しかし、「この仕事が、果たして自分のやりたい仕事なのか」「本当に社会の役に立つのか」といった根本的な疑問に基づく悩みであれば、中だるみの“効用”もありそうだ。

 本書は基本的に、終身雇用の正社員のケースを想定しているようだが、もうそんな時代ではないことも事実。タイトルのように、中だるみの「罠」と言えるものがあるのかどうか、ちょっと首を傾げてしまう。 (俊)

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