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2018年2月 6日

【書評&時事コラム】阪大、京大の入試ミスに思う

 大阪大学と京都大学で大学側の入試出題ミスが発覚し、本来なら合格していたはずの受験生が不合格となり、別な大学に入るなり、浪人生活を送ることを余儀なくされたという。不合格となった学生には気の毒というしかないが、それ以上に首を傾げたのは、京大では解答を開示しないため、ミスの発覚が遅れ、責任の所在もあいまいになっていることだ。

c180206.jpg なぜ開示しないのだろうか。一連の問題から感じられることは、開示すれば、出題内容などの是非をめぐって、進学塾などからあまた論評され、中には出題ミスを指摘される可能性もある。当落線上に置かれた受験生の合否選別というデリケートな問題も出てくるだろう。「そんなことはない」と否定できるなら、解答もオープンにできるはずだ。

 以前、知り合いの大学教員に聞いてみたところ、多くの先生方にとって受験問題の作成は授業以上に頭を痛める作業という。確かに、膨大な過去問を蓄積している進学塾の裏をかき、複数回答のない「良問」を考えることはかなり至難であろう。「受験問題は落とすための問題に過ぎず、学問にとっては意味がない」と断言する先生もいた。

 その気持ちはわからないでもないが、自分たちだって同じような道をたどり、とにもかくにも難関大学に合格して、後進を教える立場になったのだ。若いころの努力によって得た嬉しさ、悔しさを忘れるべきではない。「人生にとって、受験なんて小さなこと」と思えるようになるのは、社会人になってかなり経ってからが普通だ。もう少し、入試にマジメに取り組むべきではないか。この時期だけに、大学側の姿勢が大いに気になる。(俊)

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