コラム記事一覧へ

2019年6月27日

中宮伸二郎社労士の「労務の心得」26・ダブルワークの労働時間

Q A社で正社員として勤務している者が、当社(B社)で土曜日のみアルバイト勤務をすることになった場合、当社は割増賃金を支払わなければならないでしょうか。

nakamiya03.png B社に割増賃金支払い義務があります。労働基準法第38条「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する」と定められているので、副業の勤務先の労働時間を通算して扱うことになります。例えばA社で平日8時間勤務する者が、毎週土曜日B社で8時間勤務する場合、通算週40時間を超えることになるため、割増賃金の支払が必要となります。

 厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」では、通算により法定労働時間を超えることとなる所定労働時間を定めた労働契約を時間的に後から締結した使用者が、契約の締結に当たって、当該労働者が他の事業場で労働していることを確認した上で契約を締結すべきとの考えにより、後から労働契約を締結したB社に割増賃金の支払い義務があるとしています。副業、兼業の者については、必要に応じて労働者に自己申告を求める等他社での労働時間を把握しなければなりません。

 法定労働時間を超過して勤務させるB社は、時間外労働に関する労使協定の締結・届出が必要となります。また、2019年4月1日(中小企業は2020年4月1日)から施行されている時間外労働の上限規制のうち1カ月100時間未満と複数月平均80時間以下については、異なる事業場でも通算されるため、先に労働契約を締結しているA社においても必要に応じて副業先B社での就業時間を自己申告してもらわないと適切な上限管理ができなくなる恐れがあります。

PAGETOP