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2019年10月22日

【ブック&コラム】常態化する甚大な台風被害

 「今年は台風の当たり年」――。昨今、この言葉が毎年聞かれるようになった。甚大な被害と爪痕を日本列島の各地に残す猛烈な台風は、数年おきではなく、毎年かつ複数回にわたって襲来するようになった。常態化したと言っても過言ではないだろう。

c191022.bmp 同じ天災でも、台風は突発的に発生する地震と異なり、事前に被害を最小限に抑え、身を守る備えができる。それでも、多くの人が経験したことのない想像を超える台風は容赦なく襲いかかる。先の台風19号は、10月20日時点で死者が12都県で80人、不明者10人という惨状。住宅被害は約5万7000棟に達し、昨年の西日本豪雨の約5万棟を上回る規模だ。

 現在もなお、被災地では警察や消防、自衛隊などが行方不明者の捜索を続け、住民はボランティアとともに住家の片付けなどに追われている。各地の避難所には4000人を上回る老若男女が身を寄せ、不安な日々を送っている。筆者の親戚や知人の中にも、西日本豪雨や今年の台風15号と19号で被災した人がいる。誰もが巻き込まれる可能性が高い、極めて身近な災害になったと痛感する。

 台風被害に見舞われると、政府は即座に復旧と生活再建策に緊急予算の声をあげる。台風19号だけでも5000億円に上る予算を組むという。被災者の不安を取り除くうえでも効果のある緊急措置だと思うが、いまや常態化してしまった台風被害への総合的な対策は、被災後の単発の予算対応とは別の施策が必要だろう。単純に「国土強靭」という公共工事ではなく、災害列島として地域コミュニティが復活するような動きに期待したい。うんざりするが、台風20号と21号が発生し、また日本周辺に向かってきているようだ。(博)

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