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2020年6月 9日

【ブック&コラム】マスクが届いた

 わが家にもこのほど、例の政府の布製マスク(通称アベノマスク)が届いた=写真。さっそく試してみると、確かに大人にとっては小さく、話をしていると上か下にズレてしまい、鼻と口を一緒に覆うのがむずかしい。両ヒモの長さがかなり違っていたが、まあ、「不良品だ」と騒ぐほどではなさそうだ。

c200608.jpg 安倍首相がマスク配布の方針を打ち出したのが4月1日。2月ごろからの極端な"マスク不足"がまだ続いていたころだった。だから、せめて4月いっぱいぐらいの間に配布していれば、機能面はともかく、国民の評価は相応に上がっただろう。しかし、2カ月以上過ぎた今、マスク不足はすっかり解消され、市販のマスクはもちろん、外出自粛の期間に腕に覚えのある主婦たちが作成した布製マスクがネット上にあふれ返っている。

 2月後半から5月の大型連休ぐらいの間、新型コロナウイルスの感染拡大が急ピッチに進み、政府も矢継ぎ早に対策を打ち出した。しかし、マスメディアの調査などで知る限り、国民の評価は総じて低い。その原因が実施の遅れにあることは明白で、政府要人が「スピード感が大事」と口をそろえても、多くの国民は「とにかく遅いよね」と信用しない出来事が重なっているからだ。その象徴がマスクなのだろう。

 これに要した費用は260億円という。これだけ巨額の公的コストを掛けた以上、国民の一人として着用すべきだと思わないでもない。だが、市販のマスクに慣れた身にとっては使い勝手が悪すぎて、とてもその気になれない。妻はさっそく解体して、大きなマスクに"改造"していた。政治や政策は結果がすべて。どんな名案でも、実施時期を逸すれば「天下の愚策」にもなり得る。そう言えば、このマスクを着用している閣僚、国会議員、政府職員らがあまりいないように見受けられるが、何故なのか。不思議でならない。(間)

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