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2020年7月28日

【ブック&コラム】『ニュー・エリート』

これからのサバイバルスキル

c2007_2.jpg著者・ずんずん
KADOKAWA、定価1300+税


 日系ブラック企業から外資系金融・IT企業へと転職を重ね、現在はキャリアコーチを手掛ける著者が、職場のサバイバル術を打ち明けた1冊。外資系企業に採用される方法から、思考・教養、コミュニケーション、メンタルタフネスに至るまで、5章22トピック、全文コミカルにぶっちゃけた語彙で突っ走る。

 スキル面では英語のブラッシュアップはマストだと語り、「血反吐を吐いてでも学習すべき」と表現する。さらに査定・処遇は上司が握っているので、「好かれ・引き抜かれるしかない」と覚悟を迫りつつ、360度評価の事情もあるので、"同僚とうまくやる"バランス感覚も大事だと諭す。交渉や議論のスキルも身につけたいが、相手を打ち負かしたのでは社内政治的に"死ぬ"のは外資でも同じ。事実と感情を切り分けて受け止め、オキテを理解し、合理的に仕事を進め、自ら成長していく姿を理想に挙げている。

 日本でも、効率・生産・成長・競争に価値を置く会社が増えてきたタイミングであり、著者の知見は今後多くの勤労者の参考になるかもしれない。


(久島豊樹/HRM Magazine より)

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