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2021年3月30日

【ブック&コラム】『9割の中間管理職はもういらない』

管理だけ、忙しいだけの人は不要に

c2102_3.jpg著者・佐々木 常夫
宝島社、定価900円+税


 上司と部下に挟まれ、組織のアウトプットを求められる中間管理職の存在意義を問う1冊。

 コロナを契機に社会が変わるというより、すでに先行していた変化が加速するだけではないかとマクロの動きを捉え、雇用がジョブ型へシフトするならいよいよ不要な中間管理職が顕在化すると著者は見ている。また、自身の体験から「(部下の申請を)承諾して、(上司に)報告して、(外部と)挨拶するだけ」の人は"いらない・使えない"と切り捨て、仕事のための仕事に忙殺され、効率悪く何も生み出していない人は、不要ぶりが顕著だと警告する。さらに、1人忙しく殺気立つプレイング・マネジャーの姿にも懐疑的で、10人の部下の成果を10%高めれば、組織のアウトプットはプレイング・マネジャー1人のがんばりをはるかに超えるとはじき出す。

 ただ、本書の訴求は9割のダメぶりをあげつらうことではない。①部下を支援できる人、②現場からイノベーションを起こせる人、この2点に注目して、必要な1割の中間管理職になるための要諦をアドバイスしている。

(久島豊樹/HRM Magazine より)

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