コラム記事一覧へ

2021年4月13日

【ブック&コラム】『テレワークの達人がやっているゆかいな働き方』

テレワークの珍プレー・好プレーに注目

c2104_1.jpg著者・林 雄司
青春出版社、定価1400円+税


 コロナを契機としたテレワーク勤務のリアルをユーモラスに編集した1冊。ビデオ会議にまつわる"あるある"を中心に、およそ生産性とは関係なさそうな149話に及ぶ考察を綴っている。

 語られるテーマでは画面映りに関わる諸問題が多い。上半身だけ気を使う、会議中に玄関のチャイムが鳴る、家族やペットが映り込む、役職者の発言に限ってマイクがオフになったり、画面が消えたりするといった悲喜劇のほか、発言がダブって「どうぞどうぞ」と譲り合う現象を「ダチョウ倶楽部」と表現するなどコミカルな描写が面白い。とりわけ「ルームウェアと仕事着の境界線」に至っては章を独立させ機微を追求する念の入れようだ。

 ただ、ビデオ会議が「メール以上、リアルな打ち合わせ以下」のちょうどいいコミュニケーションであるとか、「決まった内容を報告し合うには向いているが、うまくいっていない事案の対策を考える場合は難しい」といった真面目な指摘もある。「テレワーク黎明期の珍プレー・好プレー」(著者)に共感しながら、気軽に読みたい。


(久島豊樹/HRM Magazine より)

PAGETOP