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2021年9月 7日

【ブック&コラム】メディアの力量

c210907.JPG 東京オリンピック・パラリンピックが終わった。数々の勝敗をめぐるワクワク感がしばらく味わえないと思うと、私も"オリパラロス"に陥っている一人だ。コロナ下のオリパラということで、当初から開催自体に賛否が分かれたイベントであり、終わってみれば巨額赤字は必至となれば、憂うつがさらに募るというもの。

 しかし、世界的なコロナ下にあって、海外から「感染者の少ない日本だから開催できた」という評価があるのも事実。いずれにしても、イベントの"清算"はきちんとやってもらい、その赤字が感動のコストに値するのか、パラリンピックで盛り上がった「共生社会」の実現というコストに値するのかなど、きちんとした議論が必要であろう。

 しかし、そんな話は過去のものと言わんばかりに、世の中はもう自民党総裁選に関心が向いてしまっている。コロナ感染の急拡大で国民生活が大変な時期、国会を開かずに"寝ていた"議員たちが、政策そっちのけで勝ち馬に乗ろうと右往左往している姿は、情けなさを通り越して滑稽ですらある。もう1カ月もすれば、自分の命(選挙の当落)さえもわからないのに、である。

 大手メディアにも言いたい。総裁レースの予想に血道を上げる報道は競馬の勝ち馬予想と本質的に変わりない。もっと大切なことは、どの候補者がどんな政策を打ち出し、それが国家にとって有益なのか、実現可能なのかを徹底的にあぶり出す作業ではないのか。コロナ対策はもちろんだが、日本を取り巻く世界情勢は急激に変化している。どの候補者が「この国の形」を明確に、ごまかしなく訴えているのかを報道すべきだ。その意味では、候補者以上にメディアの力量が問われている。(間)

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