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2023年6月 8日

小岩広宣社労士の「人材サービスと労務の視点」178・令和5年度の労働保険年度更新

Q 令和5年度の労働保険料の申告手続きの留意点について教えてください。

koiwa1.png 今年も6月となり、労働保険料の年度更新の季節となりました。今年度の申告手続きは、6月1日から7月10日までに行うことになります。以下のように令和4年度の雇用保険料が年度途中で引き上げられたことにより、令和5年度の申告手続きでは、令和4年度の確定保険料の算定方法が例年とは異なります。具体的には、保険料算定基礎額と保険料額を労災保険分と雇用保険分ごとに、前期(令和4年4月1日~同年9月30日)と後期(令和4年10月1日~令和5年3月31日)に分けて算出することになります。

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 令和4年度確定保険料は、以下の手順で算定します。

①「確定保険料一般拠出金算定基礎賃金集計表」に賃金の総額を記入し、前期・後期別に集計する。  
②「確定保険料一般拠出金算定基礎賃金集計表」の下段に新規に設けた「令和4年度確定保険料算定内訳」欄を使用し、保険料算定基礎額と保険料額を前期・後期別に算出する。  
③ ②で算出した保険料算定基礎額と保険料額を、年度更新申告書の下段に新規に設けた「㉜期間別確定保険料算定内訳」欄および申告書中段の「確定保険料算定内訳」欄に各々転記する。

 具体的に、次の事例で考えてみます、

令和4年4月1日~令和5年3月31日までの給与(賞与含む)
確定賃金総額 備考
社員10人 38,900,000円 雇用、労災加入
前期 18,610,000円
後期 20,290,000円
アルバイト3人 2,345,000円 労災のみ加入
前期 1,152,000円
後期 1,193,000円
申告済概算保険料 779,000円

 令和4年度の確定保険料の雇用保険料については、以下のように内訳を計算し
ます。例外的な記載として、申告書の保険料率の欄にも「32欄参照」と記載することになります。

【4/1~9/30】 18,610×9.5=176,795
【10/1~3/31】 20,290×13.5=273,915
合計 450,710

38,900×32欄参照=450,710


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 例年の申告書にはない「期間別確定保険料算定内訳」の欄が設けられていますので、このように内訳を記載することになります。厚生労働省が公表している年度更新申告書計算支援ツールを用いることで自動計算することができますが、内訳を計算など最終的に十分にチェックしていく必要があるため、十分に留意したいものです。


年度更新申告書計算支援ツール


(小岩 広宣/社会保険労務士法人ナデック 代表社員)

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