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2025年6月16日

副業・兼業の労働時間通算による「割増賃金規定」で労使"本格論戦" 労政審労働条件分科会

n250616.jpg 労働政策審議会の労働条件分科会(山川隆一分科会長)が16日開かれ=写真、今年1月から実施している「多様な働き方に対応した労働基準法の見直し議論」を続行。(1)労働時間法制の具体的課題として 「副業・兼業」(2)集団的労使コミュニケーションのあり方として「過半数労働組合・過半数代表者等」――をテーマに労使が"本格論戦"に入った。副業・兼業の労働時間通算による「割増賃金規定」では、使用者側委員が「副業・兼業は労働者の自発的な選択と判断で行われている観点から、本来の割増賃金の趣旨と馴染まない」と撤廃を含む見直しを主張。一方、労働者側委員は「日々の生活費を賄うために副業・兼業を行わざるを得ず、結果として長時間労働になっている労働者も少なくない」として、現行規定の維持を強調した。

 このテーマを巡っては、これまでも労使がそれぞれの見解と立場を示していたが、具体的な理由や課題を掘り下げて議論するのは初めて。事務局の厚生労働省が「副業・兼業」に関する規定や解釈、ガイドラインの変遷、労働時間通算と割増賃金支払いに関する規制の趣旨のほか、副業者の属性や副業をする理由、本業の業種と年収などの調査結果を説明した。

 これを踏まえて、労使が活発に主張を展開。使用者側委員は「業務命令で発生するのが割増賃金であり、労働者自身の選択で別の事業場で働くことに割増賃金というのは趣旨と異なる」「副業者を受け入れる企業も二の足を踏み、労働者の雇用機会を奪ってしまう」など、健康確保に配慮しつつ見直しを求めた。これに対し、労働者側委員は「割増賃金の通算をしないとした場合、さらなる長時間労働を誘発することになりかねない」「働き方改革で推し進めてきた長時間労働の是正と過労死ゼロの取り組みに逆行する」などとして、現行ルールの維持を主張した。

 労使はそれぞれの発言を取り上げながら自身の見解を述べる形で譲らず...


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