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2023年10月24日

【ブック&コラム】まかり通る非常識

 最近、自治体の首長や議会で首を傾げたくなる出来事が相次いでいる。例えば、埼玉県議会の自民党が出した虐待禁止条例改正案。「小学3年以下の子供に留守番させる」「子供を置いてごみ捨てに出る」「子供にお使いをさせる」などの行為が虐待にあたるという内容が含まれている。そんな条例案が県議会に提出されたというから、また驚いた。

c231024.png さすがに、メディアなどの批判を浴びたため撤回したものの、そんな自民の"悪法"を批判する人がギリギリまでいなかったことに、うすら寒ささえ覚えた。埼玉の自民県議団というのは、そこまで常識を欠く集団なのか。それこそ、根強い「県議会不要論」に拍車を掛けることになりかねない。

 そうしたら、今度は滋賀県の東近江市長が「フリースクールは国家の根幹を崩すことになりかねない」と発言し、「不登校になる大半の責任は親にある」と言い放ったとも伝わる。フリースクールを認めている政府を批判する中で出た発言だそうだが、どう考えても重大な事実誤認、偏見でしかない。公人に必要な幅広い見識が欠落しているとも言ってよい。

 "留守番禁止条例"も「親の責任論」発言も、問題の根本を十分知ったうえでの制度論議ではなく、とにかく「非常識」の一言に尽きる。両者には「子育ては親だけの責任」という古い価値観がプンプンと匂う。もう少し、まともな考えのできる人たちはいないものか。この分野は、とりわけ「人材不足」なのかもしれない。(典)

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