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2024年2月13日

【ブック&コラム】『なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか』

「キャリア安全性」と新しい育て方の提案

c2401_3.jpg著者・古屋 星斗
日経BP/日本経済新聞出版、定価1760円(税込)


 価値観が個別的で多様化し、世代の括りが成立しない今、一人ひとりの社会人をどう育てるかが論点になると著者は語る。職場環境に目を転じれば、労働時間は減少、休暇取得率は向上、管理職は部下をほめ、叱責もしない"ゆるい職場"が形成されていると概観。ここまで負荷は低いのに若者の離職率が下がらない要因では「不満はないが、成長できない不安」が疑われると見て、「キャリア安全性」という解決策のヒントを導き出している。

 不安の構造を、①時間(このままいても)、②市場(他社で通用しないのではないか)、③比較(友人・知人に比べて自分は)という3つの視座から考察。時代を戻せない以上は新しい育て方が求められると論じ、「質的負荷の高い仕事を、いかに量的負荷、関係負荷なく与えるか」と概念化したうえで5つのポイントを示す。

 一方で、優秀な人材が辞めてしまうのはやむをえない現象だとも捉え、"関係社員"という立場でコミットする「ハイパーメンバーシップ型雇用」を提唱する。このユニークな組織論も要注目だ。

(久島豊樹/HRM Magazine より)

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