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2024年4月 4日

小岩広宣社労士の「人材サービスと労務の視点」221・医療・介護・保育分野の適正な有料職業紹介事業者認定制度②

Q 医療・介護・保育分野の適正な有料職業紹介事業者の認定制度の具体的な認定基準は、どのような内容でしょうか。

koiwa24.png 医療・介護・保育分野の適正な有料職業紹介事業者の認定制度の趣旨や内容については、前回のコラムで触れました。認定要件には、①申請条件、②必須基準、③基本基準の3つがあり、①申請条件は求人者の人材確保に対応するための安定した紹介実績、②必須基準は法令順守など適正事業者として必ず実施すべき基準、③基本基準はより良いサービスを提供するために実施することが望ましい基準とされています。

①申請条件
 申請条件については、前回のコラムで簡潔にまとめています。

②必須基準
 必須基準は、3分野ともに規定のすべての項目を満たすことが求められます。具体的には、1.手数料、2.返戻金制度、3.お祝い金、4.再転職勧奨、5.広告・営業、6.労働条件の明示、7.個人情報保護、8.管理体制・苦情処理、9.是正指導の9分類となります。

 基本項目は3分野共通ですが、医療分野と保育分野には「職業安定機関その他公的機関と関係を有しない職業紹介事業者は、求人者および求職者等にこれらと誤認させる名称を用いてはならないこと」、保育分野には「受理していない求人を自社で受理した求人であるかのようにウェブサイト等で掲載しないこと」が加わっています。必須基準の各項目の実施状況については、申請書類の内容をもとに実地調査において具体的に確認されることになります。

③基本基準
 基本基準は、おおむね70%以上の項目を満たす必要があります。具体的には、1.対「求職者」、2.対「求人者」、3.マッチングの3分類となります。基本項目は3分野共通ですが、介護分野には「求人者の求める人材を理解した上で、当該求人に適した求職者の紹介を行っていること」、保育分野には「保育士不足解消のために、常勤就業者のみならず、潜在保育士や短時間就労者の就業支援も求人者と協力して積極的に行っていること」、「上記を通じて得た情報を社内で共有・蓄積するための仕組みを構築し、担当変更の際もスムーズに引き継ぎを行っていること」が加わっています。

 基本基準については、最低8~9項目を満たすことが求められます。基本的にはすべての項目について取り組む方向で検討し、どうしても実施困難なものを除外する方法ですすめるのがおすすめです。認定制度の申請にあたっては、対「求職者」、対「求人者」、マッチングの3つの取り組みのバランスを意識して、自社の現状や方針にあわせ実践を行っていきたいものです。

(小岩 広宣/社会保険労務士法人ナデック 代表社員)

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