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2024年3月28日

小岩広宣社労士の「人材サービスと労務の視点」220・医療・介護・保育分野の適正な有料職業紹介事業者認定制度①

Q 医療・介護・保育分野における適正な有料職業紹介事業者の認定制度とは、どのような制度でしょうか。

koiwa24.png 医療・介護・保育分野における適正な有料職業紹介事業者の認定制度は、人材不足が顕著な医療・介護・保育分野において、職業紹介の条件などをめぐってトラブルとなるケースが少なくないという状況を受けて、職業紹介事業者の中から求職者が安心できる基準を示し担保することを狙いとしてスタートしました。認定制度では、一定の基準を満たした事業者に対して「適正な有料職業紹介事業者」の認定が行われ、令和6年3月14日現在85社(医療42社、介護28社、保育15社)が認定されています。

 認定制度では、「就職お祝い金を支給しない」などの法令順守はもちろん、「取り扱い職種別に手数料を公表している」「転職活動を助長するような不適切な広告・広報を行わない」などの一定の基準を満たした事業者への認定を行うことで、3分野における求人者が職業紹介事業者のサービス内容や品質、費用などをあらかじめ把握して適正な事業者を選択できるようにし、求人者の苦情や評価の事業へのフィードバックを通じてサービスの品質の維持、向上をはかることが目指されています。

 認定要件には、①申請条件、②必須基準、③基本基準の3つがあります。求人者の人材確保に貢献できるよう、安定した紹介実績が求められ、申請した分野について、少なくとも1つ以上の対象職種について、過去2年度連続で、年間5件以上の常用就職(無期雇用)の紹介実績があることが条件とされています。あくまで対象職種ごとの判断になりますので、例えば医療分野の場合、医師と看護師の合計で5名以上という条件では認められません。

 無期雇用の常用雇用者のみしかカウントできませんので、パートタイム労働者などの場合、期間の定めのない雇用契約以外の者については対象外となります。会社単位で認定申請を行う場合は、事業所単位ではなくあくまで会社全体としてすべての基準を満たす必要があります。この点はあくまで申請者の判断となるため、紹介事業の現況や先行きへの展望なども見据えた申請を行うことが必要だといえるでしょう。


医療・介護・保育分野における「適正な有料職業紹介事業者認定制度」


(小岩 広宣/社会保険労務士法人ナデック 代表社員)

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