ミドルシニアの働き方と活かし方
著者・坂本貴志/松雄 茂
PHP研究所、定価1320円(税込)
複数の独自調査と企業事例を紹介しながら、現役とシニアの間の「ミドルシニア」がどのように働き、また、会社は彼らをどのように扱っていくのかを考察していく1冊。
継続雇用・再雇用・転職・独立・引退と定年後の選択肢はかつてと比べて幅があるので、いつまでどのように働くかは、家計・健康・意欲・価値観等に照らして個々が主体的に決めればいいと前提を確認する。そのうえで、雇用義務、人材不足、年上部下の問題など難しいマネジメントが求められている会社には、一律で処遇を下げるポストオフ(役職定年・定年)のあり方から見直す必要があるのではないかと指摘し、再雇用者でも成果創出できる人には現役並みの処遇を継続する企業は増えてきたと報告する。
年上部下にプレイヤーの活躍を促すためには、目標を追う仲間として期待を伝え、大きな挑戦を求め、未達の場合は躊躇せずイエローカードを渡す"甘えのない関係"は必須だと捉え、制度面ではペイ・フォー・パフォーマンスの仕組みを「70歳雇用時代への処方」の1つに挙げている。
(久島豊樹/HRM Magazine より)