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2025年10月 2日

小岩広宣社労士の「人材サービスと労務の視点」296・スマホのマイナ保険証利用について

Q スマートフォンをマイナ保険証として利用できるようになったと聞きましたが、具体的にはどのようにしたらよいでしょうか。

koiwa24.png 健康保険証のマイナ保険証への移行が順調に進んでおり、25年8月のマイナ保険証利用率は34.32%(対前月+2.89ポイント)と発表されています(9月26日、厚生労働省)。さらなる利便性の向上に向けて、9月26日から順次、スマートフォンのマイナ保険証としての利用が進められています。具体的には、医療機関・薬局等の受付に設置された顔認証付きカードリーダーを操作して本人認証を行った後で、スマートフォンを汎用カードリーダーにかざして利用することになるため、このような機器の準備が整った医療機関等から順次、利用が可能となっています。スマートフォンのマイナ保険証の対応が可能な医療機関等については、都道府県・市区町村名や医療機関名を入力することで、以下のサイトから検索することができます。

スマートフォンのマイナ保険証対応医療機関・薬局検索ページ(厚生労働省)

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 マイナンバーカードをスマートフォンに追加するには、マイナポータルアプリの画面から、Android、iPhoneごとに、スマートフォンのマイナンバーカードの利用申請・登録を行うことになります。マイナンバーカードをスマートフォン追加する場合は、1人につき1台に設定することになるため、新しいスマートフォンに交換したり、万が一、スマートフォンが盗難にあったような場合は、今までのスマートフォンでは利用できなくなります。スマートフォンを機種変更する際には、事前に安全のためマイナンバーカードを削除する手続きを取り、盗難にあった場合には、速やかにマイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178)で一時利用停止を行うようにしましょう。

 スマートフォンをマイナ保険証として利用するメリットとしては、マイナンバーカードを持参することなく、手持ちのスマートフォンで手続きが完結できることにより、不注意による不携帯や盗難などのリスクを最小限に抑えることができる点が挙げられます。今後のさまざまな電子化の推進の中で、スマートフォンにアプリや情報が一元化される流れにも対応できるほか、万が一、スマートフォン自体の紛失・盗難といった事態になっても、速やかに一時利用停止の手続きを取ることで被害を最小限に抑えることができるため、全体として利便性の向上に資すると考えられます。スマートフォンにマイナンバーカードを追加しても、マイナンバーカード自体は引き続き利用することができるため、ぜひ平行して有効活用していきたいものです。

スマートフォンのマイナ保険証利用について(厚生労働省)


(小岩 広宣/社会保険労務士法人ナデック 代表社員)

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