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2014年4月14日

全面改正した厚労省「雇用政策基本方針」(下)

基本的な方向性の「4本柱」

is140414.JPG 雇用政策の「基本的な方向性」に着目してみる。まず、掲げている4本柱は①労働市場インフラの戦略的強化、②個人の成長と意欲を企業の強みにつなげる雇用管理、③「全員参加の社会」の実現に向けて、④良質な雇用の創出――となっている。

 08年は ①誰もが意欲と能力に応じて安心して働くことのできる社会の実現、②働く人すべての職業キャリア形成の促進、③多様性を尊重する「仕事と生活の調和が可能な働き方」への見直し――の3本柱。似た表現ではあるものの、やはり今回の言い回しの方が一歩踏み込んでいるように感じられる。

労働市場インフラの戦略的強化

 4本柱を個別にみると、①労働市場インフラの戦略的強化については、(1)人的資本の質の向上と職業能力の「見える化」を強調。企業内、個人主導など様々な機会を捉えた職業能力開発の強化や、能力評価のものさしを整備し、職業能力の「見える化」を推進する考えだ。

 また、(2)マッチング機能の強化を挙げ、民間人材ビジネスなど外部労働市場全体でマッチング機能を最大化する、公共職業安定所(ハローワーク)ごとの評価制度の導入やITの活用による公共職業安定所の改革・機能向上などを記した。ハローワークの機能を、より開放していく狙いが垣間見える。

 さらに、(3)失業なき労働移動のための一体的な支援も重視。求職者・求人企業に関する情報の充実、移動元企業の転職支援促進などを推し進める方針だ。

個人の成長と意欲を企業の強みにつなげる雇用管理

  ②の個人の成長と意欲を企業の強みにつなげる雇用管理では、労働者の主体性、内発性を引き出す雇用管理の実現、各企業の雇用管理 の状況について情報開示を推進、労使コミュニケーションの活性化を図ることとしている。

「全員参加の社会」の実現に向けて

is1404014_2.png ③の「全員参加の社会」の実現については、あらゆる方向の課題をまとめている。大きくは、「『全員参加の社会』にふさわしい働き方の構築」と「意欲を高め、全ての人に、仕事を通じた成長の機会を」の2つに大別される。

 前者は、労働者の希望を生かした多様な働き方の実現として、非正規雇用から正規雇用への転換に向けた支援、能力開発支援、多様な働き方のための環境整備などのほか、「時間意識」を高め、「正社員=いつでも残業」を変えようと掲げ、恒常的に長時間労働がなく、年次有給休暇が円滑に取得できる働き方の実現を目指すとしている。

 後者は、(1)教育と雇用をつなぎ、あらゆる状況の若者にキャリア形成のチャンスを提供、(2)「シニアの社会参加モデル」を構築、(3)「女性の活躍は当たり前」という社会へ、(4)男性の働き方にも多様性・柔軟性を、(5)障害者等が能力と適性に応じて活躍できる社会を目指して、(6)様々な事情・困難を克服し、就職を目指す人たちを支援、(7)外国人材の活用により我が国の経済活性化を→高度外国人材の受入・定着――を盛り込んだ。

良質な雇用の創出

 ここでは、雇用志向の積極的な産業政策、サービス業などの人手不足産業の雇用環境の改善、地域の雇用機会の確保――という目標を記した。

 現政権の目指す方向性が「基本方針」となって表現されたものが多く、これらを具体化した今後のあらゆる雇用政策が注目される。 (おわり)

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