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2020年11月30日

9月中間決算で浮かぶ業界事情

雇用で正念場、人材ビジネス

 人材ビジネス会社の9月(第2四半期)連結中間決算が出そろった。新型コロナウイルス感染拡大の第1波が押し寄せ、全国に外出規制が敷かれた4月を中心に経済活動もほぼストップしたため、第1四半期(4~6月)に業績を大きく落としたものの、第2四半期(7~9月)は徐々に回復傾向をたどった企業が多く、売り上げの落ち込みは最小限にとどめた模様だ=表。しかし、11月に入って感染の第3波が押し寄せていることから、回復の勢いに水を差す可能性も高く、今後の情勢は予断を許さない。(報道局)

 事務系派遣は大手をみる限り、かなり"健闘"した形跡がある。リクルートの場合、最大売り上げ部門の人材派遣(国内)では4~6月期が同一労働同一賃金の導入などで賃金水準が上昇した結果、前年同期比5.9%と伸びた。7~9月期になると、派遣スタッフの減少に伴い、同0.7%減のマイナスになった。

sc201130.png パーソルもほぼ同じで、派遣に限れば4~6月期は同6.9%増、7~9月期も同2.8%増で、半年累計では同4.8%増の増収を維持した。パソナも6~8月期の売上高は前年とほぼ同じ、「企業活動は平常に戻りつつあるが、新規の派遣需要の回復は鈍い」としている。

 感染拡大に伴う派遣スタッフの減少傾向は数字で確認できる。日本人材派遣協会によると、協会加盟派遣元508事業所の派遣労働者の平均実稼働者数は1~3月期が約37万人で前年を1万人上回っていたが、コロナ禍によって4~6月期が約35.5万人と同7000人の減少に転じ、7~9月期は約34万人で同2万人減となり、減少数が大きくなっている。

 しかし、08年に起きたリーマン・ショックに伴う景気悪化で大量の派遣労働者が契約途中の打ち切りや契約満了に伴う雇い止めとなり、社会問題となった当時に比べると、減少ペースは緩やかだ。当時の反省に立って15年9月に施行された改正労働者派遣法により、派遣元に「雇用安定措置」を講じる義務が課せられたことに加え、今回は、厚生労働省が雇用調整助成金の支給要件を大幅に緩和する特例措置を講じるなど、再三にわたって経済界に雇用の維持を要請したことも奏功しているようだ。ただ、年末に更新を迎える派遣契約が多いことから、厚労省は雇い止めの防止に向けて、派遣の業界団体と経済団体に対して、あらためて「雇用維持」を要請している。

人材紹介、求人広告は軒並み大幅減

 人材派遣に対して人材紹介は軒並み大幅減に襲われた。多くの企業が中途採用を一時的に見合わせたことから、リクルートは同4割、パーソルも同35%減と大幅減に見舞われ、他社もほぼ同じような状況だ。

 また、パート・アルバイトなどの非正規の場合、さらに状況は厳しくなる。全国求人情報協会が毎月公表している企業の求人広告件数をみると...


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