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2021年9月13日

コロナ禍で迎えた3年目の「特定技能1号」

6月末現在2万9144人、8割超が技能実習から移行

 就労目的の外国人材の受け入れ拡大を狙って2019年4月に創設された新しい在留資格「特定技能」。政府の肝いりで始動した制度だが、初年度は準備不足などで想定した最大4万7000人の1割にも届かず、2年目は新型コロナウイルス感染拡大の影響で限定的な伸び幅にとどまった。スタートダッシュはつまずいたものの、日本の少子高齢化による労働力人口の減少を直視すると、「特定技能」の拡充と有効活用は経済を含む国力維持に欠くことのできない制度だ。国際的に人権上の批判がある「技能実習」に代わる仕組みとして始まった「特定技能」の現状を分析し、今後の展開を探った。(報道局)

 「特定技能」の在留資格には「1号」と「2号」がある。「1号」は「相当程度の知識または経験を要する技能」を持つ外国人に与えられ、在留期限は最長で5年。「2号」は「熟練した技能」を有する外国人に付与され、条件を満たせば長期の滞在や家族の同伴が可能。現在の運用は「1号」が中心だ。

sc210913.png 受け入れ業種と所管は、▽厚生労働省=介護業、ビルクリーニング業▽農林水産省=農業、漁業、飲食料品製造業、外食業▽国土交通省=建設業、造船・舶用工業、自動車整備業、航空業、宿泊業▽経済産業省=素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業――の14業種。政府は当初、19年度から5年間の受け入れ人数の上限を約34万5000人と見込んでいた。

 出入国在留管理庁が3カ月ごとに公表している「特定技能1号在留外国人数」によると、最新の6月末現在で2万9144人となり、1年前の6月末と比べて約5倍に増加している=グラフ。開始時の想定を大幅に下回っているが、厳しい環境下にあっても段階的に広がっている様子はわかる。

 資格取得のルートは(1)業種ごとの試験(2)一定の条件で技能実習から移行(3)検定(4)介護福祉士養成施設修了(5)EPA介護福祉士候補者――の5通りあり、このうち6月末現在の"移行組"は2万3674人。全体の81.2%を占める。圧倒的ではあるものの...


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