衆院選は自民党が圧勝し、高市政権の続投が事実上決まった。選挙期間中、与野党挙げての最大焦点となった消費税の減税・廃止について、自民党は選挙期間中、「飲食料品を2年間、課税対象にしないことについて実現に向けた検討を加速する」と主張。他党に比べて消極的な表現ぶりに終始した。本当に減税できるのか。減税が果たして物価高対策になるのか。財源はどうするのかなど、実現に向けたハードルは高い。(報道局)
消費税は現在、国の最大税収になっており、2026年度予算案で約27兆円。そのうち、食料品は約5兆円を占めており、2年間では10兆円になる。減税に踏み切った場合、この分をどこから持ってくるのか。高市首相らは、超党派で作る「国民会議」で財源や実施スケジュールを議論し、それがまとまれば今秋にも実施するとしているが、具体的な工程作業はこれからだ。
食料品の消費減税はできるか?
最大の壁はやはり財源問題。消費税のほとんどは社会保障費に充てられる。26年度予算では診療報酬や介護報酬の改定や年金スライドなどで過去最大の約39兆円(前年比2.0%増)を予定しており、一般歳出122兆円の32%を占める最大項目だ。しかも、今後10年は高齢化がピークを迎え、社会保障費がさらに増えるとみられることから、消費税はますます重要な税収になる。
その中で、5兆円分の穴を埋められる収入の道は見当たらず、与野党とも選挙期間中は財源問題に深入りすることを避けてきた。「国民会議」でどんなアイデアが出るか注目されるものの、結局まとまらず、"禁じ手"の赤字国債の発行に踏み切るような事態にもなりかねない。そうなれば、財政悪化を危惧する長期金利の上昇が避けられず、それが一層の円安につながることは確実。今現在も、市場はそれを見越して長期金利が急上昇している。
元々、現在の物価高は円安による輸入物価の上昇が底流にあり、円安を是正しない限り、物価上昇が鈍化する可能性は低い。「国民会議」ではこのジレンマを背景に議論することになるが、与野党の意見が一致する見通しはまったく不透明で、結局は見送るか、わずかな減税率でお茶を濁すことも十分あり得る。「生活防衛=消費減税」しか打ち出せなかった政治の貧困が露呈することにもなる。
一方、仮に食料品の税率をゼロにした場合、...
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